マイ ベジタリアン ポリシー

#
# そもそもベジタリアンって?
#
「マイ ベジタリアン ストーリー」からつながる話...

さて、そもそもベジタリアンって何?
を明確にしないとわけわかなので、
若干の紹介をしながら進めていきたいと。
ベジタリアンという言葉自体は、
一概に定義はできず、かつ、
その言葉自体は非常に抽象的な概念です。

ただ言えるのは、
それ自身は明確な宗教でもないし規約でもないし、
あえて一言で頑張って表すと
「想いのある食生活スタイル」
と言えるでしょうか...。
(ただ、そこに宗教の戒律が影響することはあります)

個人それぞれが色々な思いをもって、
それぞれのスタイルで実践する食生活。
だから、結局ベジタリアンの人の数だけ
ベジタリアンの種類があると言えます。
ただ、それでは話が進まないので、
「スタイル」そして「モチベーション」、
この二つのベクトルで分析してみます。
#
# ベジタリアンのスタイル
#
ベジタリアンと聞くと、肉、魚を食べない、
というのはすぐにイメージされますが、
卵、乳、蜂蜜なども視野に含めると、
大きく以下のようなタイプに分けられます。

o ラクト・ベジタリアン (Lacto Vegetarian)
 -> 肉、魚、卵は食べない (つまり、乳や蜂蜜は食べる)

o オボ・ベジタリアン (Ovo Vegetarian)
 -> 肉、魚、乳は食べない (つまり、卵や蜂蜜は食べる)

o ラクト・オボ・ベジタリアン (Lacto Ovo Vegetarian)
 -> 肉、魚は食べない (つまり、乳や卵や蜂蜜は食べる)

o ヴィーガン (Vegan) ※ビーガンと表記することも
 -> 肉、魚、卵、乳、蜂蜜は食べない
 -> 毛皮など衣類にも動物性のものを利用しない

よくラクトとオボがごっちゃになりますが
「ラクトは乳、オボは卵」と覚えておけば良いでしょう。
また、食生活だけのヴィーガンを正確には
ダイエタリー・ヴィーガンと呼びますが、
分類が細かくてややこしいので、
少なくとも自分は(このブログでは)、
衣類などに話が着目しない限りは食生活
だけのヴィーガンヴィーガンと呼びます。
(ベジ関係の知り合い同士の会話でも、
漠然とヴィーガンと呼んでいます)

この分類は、国際ベジタリアン連合という
組織にて定められたものです。
で、別にこれはそういうタイプの人が多いというだけで、
必ずしもぴったり一致しなければならない、
ということはありません。先に言ったように規約では
ありませんので、地域や個人の独自の信条によって
カテゴリとは若干異なった実践をするのはとても自然なこと。

例えば、これに「程度」という概念が実際には存在します。
o 普段はヴィーガン、どうにもならないときは魚は食べる。
o 平日はオボ・ベジタリアン、休日はお肉も食べる
o 週二日だけはヴィーガン料理だけで過ごす
などなど、
それぞれの現実的な生活や(後述する)モチベーションに対する
思いの強さに合わせて、立体的に組み合わせていくものです。

カテゴリにぴったりはまろうとして、
自分の現代的な生活が窮屈になって続かなければ意味ないですし、
少しでもアプローチがあって、
長く続くことの方が意味が大きいと考えます。
どの世界でも同じですが、
カテゴリはあくまで会話や学問における便宜上のもの、
やってることに意味があれば普段は気にしません。
音楽のジャンルも探しやすくするための管理上のもの、
実際には曖昧なものもたくさんあって、それが自然です。
もちろん、完全にカテゴリを実践できる人は尊敬に値します。

また、だし汁や添加物、調理混入(コンタミ)など、
細かいレベルでどこまでこだわるかも人次第です。
これも現実生活との調整というところです。
日本では「かつおだし」が多く利用されますし、
添加物は数え切れないほどありますが、
中には動物性と言ってもいいかもしれないものもありますし。
アレルギーと重なっている人であれば、
調理混入(コンタミ)に対しても慎重になる必要があるでしょう。
また、不明なものに対してどうするか、
これも悩みどころですが状況次第、人次第、
というところでしょうか。
(気にし過ぎて疲れて続かないのもよくないです!)
自分は、「できるだけヴィーガン」という感じでしょうか。
自宅での食事は完全にヴィーガン、外食もほとんどヴィーガン。

当然、食以外の別のところの
「こだわり」もたくさんあるので、
稀にどうにもならないときは、
(できるだけ)魚中心で頂くこともあるかなと。
例えば、「禁煙の愛想の良いお肉のお店」と
「タバコの煙バリバリの愛想の悪いベジのお店」
の二つしかなくて、
どうしてもお腹がすいてしょうがないとなったら...
どうするんでしょうね!?

細かい面では、「だし」もできるだけ植物性のものを。
まあそこは割り切ることもあります。(そば・うどん系!?)
添加物はそもそも動物性・植物性に関わらず、
できるだけ避ける、避けたい。
ベジでも添加物バリバリだったらいやかも。
それだったらベジでなくてもこだわりのある
無添加なものの方がいいかも。

調理混入(コンタミ)はもうコックを信頼するしか...
でもそもそも純ベジのお店をできるだけ利用する、
というところでしょうかね。

不明なものに関しては、
幸い自分はアレルギーを持っているわけではないので、
なんとしても避けるというよりも、
ちょっと食べればわかりそうなものは、
実際に食べて「うむむ、乳っぽいなぁ」って
自分の味覚で確認して今後の参考にする
(というか家族のための盾に)っていうときもあります。
自分の味覚をもっと鋭く鍛えたいという面もあるので。
(特にパン屋さんのパンとか表示ないこともあるので)

ただ、幸いながら身近にベジのお店や自然食品店が
それなりにあるので、「しっかり」選んでいければ
そんなに迷わないですかね。インターネットでも
「しっかり」探しさえすれば良いものが手に入ります。
その選ぶこと探すこと自体が体力が必要なんでしょうけど、
それはそれでとっても楽しい面でもあります。
逆に制限があることで、より一層食材に興味を持つし、
それを追求すること自体が楽しいという面もあります。
「できるだけ」のテンションが
意外に高い方なのかもしれません。

// ディズニーシーでベジライフ | jfluteの日記
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20110212/1297495230

【追記: 2013/05/03】
もしくは、「日常ヴィーガン!?」って感じかな...
日常生活ではヴィーガン生活ですが、
イベント時など食べることに意義のあるようなときは、
遠慮なく頂きたいと思っています。
こだわりの魚、乳は入ってるけど想いのあるパン、
それを食べることが何かに貢献するようなとき...

こないだ、宮城県石巻に行って、
復興で頑張っている方々の地元産のお魚を頂きました。
とっても新鮮でおいしく、地元の人の想いがたくさん
詰まっていました。
#
# ベジタリアンのモチベーション
#
ベジタリアンのモチベーション、きっかけとも言えるでしょうか、
全然一律じゃない、実はこれも様々なのです。

o 健康のため
o 動物愛護精神
o 環境保護のため
o 宗教上の戒律
o 食物アレルギー
o 単なる好き嫌い

これらが単一とも限りません。

o 健康中心でちょっと環境保護のことも頭にある
o 動物愛護精神と環境保護の両方
o 健康のためと単なる好き嫌い

などなど、組み合わせは個人個人それぞれ、
これも規約でもなんでもありません。
それぞれの要素に対して、
どういう思いをもって食生活を過ごすか、
人それぞれに尽きますし、
ここでもやはり「程度」のベクトルがあります。
自分は、きっかけがまさしくそうだったように、
「健康のためのベジ」という要素が最大です。
既に「マイ ベジタリアン ストーリー」で語りましたが、
実際に体の調子が良くなっていったのがきっかけです。

健康のため、と言っても、
もちろんベジ料理で完全に健康とは限りません。
極端にバランスを欠いた食事、例えば、
フライドポテトだけをおかずに白米を食べ、
ほとんど噛まずに飲み込み、甘い甘いジュースを飲む...
とかであれば、そりゃ、体に悪いでしょう。

どうしてもプログラミングに例えてしまいますが、
Javaを使ったからといってオブジェクト指向の
プログラムになるとは限りません。
ただ、それがしやすい環境ではあると言えます。
それと「全く」同じです。
ベジ料理で、低カロリーで栄養素十分の、
健康的な食生活が(比較的)送りやすいと。

タンパク質は必要ですが、
肉には一緒に大量の脂が付きものです。
しかも、飽和脂肪酸中心の比較的どろどろした脂、
そんなに大量には要りません。
そう言う意味で、
非常に効率の悪いタンパク質の摂取源とも言えますし、
そもそもタンパク質の摂り過ぎが良くないという議論も。
また、一日の野菜などの必要な摂取量って結構多いものです。
お肉をたくさん食べたら、その分野菜が腹に入らないし、
なおさら野菜の栄養素は欲しいし、
じゃあ追加して野菜もどんどん食べるかって、
食べ過ぎも良くないし。
(お肉も野菜も濃い味付け(塩分や糖分)して
食べるって人は多いでしょうから)

細かくは色々ありますが、こういう単純な論理にもなるかと。
また、肉食を減らすというのは、
日本の栄養学的にも既に推奨されていることです。
もちろん、タンパク質の摂取のために豆類(特に大豆)や
穀物(小麦など)をバランス良く食べることが大事です。
ベジのお店のベジ料理は大豆をおいしく頂くための
創意工夫がたくさん施されています。
自分で作る時もそれを真似ると良いでしょう。

以下の写真はベジ料理の一例。大豆ハンバーグのプレートです。
(マイ ベジタリアン ストーリー にて、
自分が出会ったベジのお店のメニューです)



ただ、栄養学としては厳密には、
完全なヴィーガンは完全な健康的なものではないと
定義されます。具体的には「ビタミンB12」などの
一部の栄養素において摂取が困難ではないか!?
という疑問があるからです。
(ラクト・ベジタリアンやオボ・ベジタリアンは、
全く問題なしと言われます)

o ビタミンB12は植物性の食品からはほぼ摂取できない
o 海苔や納豆、味噌などのビタミンB12は不活性で栄養にはならない
(ベジタリアンの医学 蒲原聖可 平凡社新書より)

でも、栄養学を勉強するとわかりますが、
かつ、その他全てのことで言えますが、人類の学問は発展途上です。
どうやら栄養学もまだまだわからないことだらけ。
もちろん、非常に確度の高い部分もあるでしょう。
それをどこまで信頼するかはこれまた個人次第。
「健康面で問題なしという証明がされていない」という一方で、
「健康面で問題ありという証明もされていない」というレベルの話。
この考え方、他の分野でも重要です。
"true or false" ではなく "true or false or unknown" なのです。
"true でない" イコール false と考えると何事も痛い目に会います。
議論のときこれにハマらないことが大事です。

一方で、ビタミンB12の必要量は非常に微量であること、
再利用と貯蔵により肉食を止めてから十年以上は
摂取しなくても問題はない、という面もあります。
知り合いの完全ヴィーガンで、
貧血で倒れている人を見たことありません。
少なくとも自分は今後十年間の栄養学の研究を
見守ってから考えてもいいかなと。
とはいえ、栄養学を全く無視するのもよくないので、
というか多くは信用できるものと思いますので、
しっかり栄養学の基本を学び、
例えばビタミンD亜鉛や鉄など、
ヴィーガンで不足しやすいと言われている栄養素などは、
摂取できる食材を日常にうまく取り入れて食べるように。
海藻やきのこ類は外せないですね。

また、もともと40点くらいの食生活が90点の食生活に変わって、
あと10点を無理に求めていく必要はないかなと。
何事もそうですが、90点から100点に達するパワーと
40点から50点のそれでは大きく違います。
もの作りをやっている人間ならばなおさら
実感するかと思います。

なかなか残りの数点(数%)が埋まらない。
ましてや、残りの数点が科学的にまだ途上段階に
あるような状態で追いかけても非常に非効率です。
食以外にももっと気を使っていかなければならない面も
ありますので、このへんはうまくバランスをとって
実践していければというところです。

ちなみに、健康のためのベジとなると、
単に肉、魚というだけでなく、
精製された砂糖(白砂糖)や精製されてなくても
多めの砂糖は摂取しなかったり、
白米よりは玄米を好んだり、有機栽培や自然栽培などの
オーガニックの野菜などを積極的に食べる、
露骨な添加物を避けるなど、
色々な要素でのアプローチが一緒になることが多いです。

自分もまさしくその通りですが、
そこには書き切れないほどの細かい考慮点があります。
中でも、栄養学的には白米と玄米の違いは明らかで、
同量でほぼ同じカロリーであり、
食事全体に占めるカロリーの割合は結構高めながら、
そこから摂取できるビタミン・ミネラルが大きく変わります。
特にビタミンB1が顕著です。よく噛むこと、
おいしく炊くこと、これが条件になりますが、
それがクリアできればとても効率の良い選択肢と言えるでしょう。

ちなみに添加物に関しては、やはりこの本ですね。

// 「食品の裏側」を読みました | jfluteの日記
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20101202
健康面に限らず、おいしい料理が多いということで
「単なる好き嫌い」の要素が大きいです。
ここはやはりなかなか捨てられないところでしょうね。
苦しみながらやってるわけじゃないのがなによりです。
なんだかんだ趣味的な「ベジ料理好き」
という面が、実は相当でかいのです。

もうちょい、一般的な視点からこの要素を分析すると、
「肉はみんな好きなもの」というのは先入観でしかないと言えます。
ベジの人でもベジじゃない人でも、
「肉はそんな好きじゃない」って人は珍しくありません。
自分も、肉よりは魚、って感じだったし、
そもそもお肉もピンからキリで、本当においしいお肉って、
実は安価じゃなかなか手に入らないものです。
ですし、既に紹介した「食品の裏側」読むと色々と広がりますが、
「えー」って思うような安価なお肉のおいしくない理由があったり...

おいしい高価なお肉よりも、
おいしい大豆の方が安く手に入りやすいので、
もしかしたら経済的な面でのベジ、
というのもあるかもしれませんね。
少なくとも(ボランティアな)
オープンソース活動(DBFlute)ばかりの自分は、
ベジ料理、ベジ食材にそういう面でも随分助けられています。
後付けで、動物愛護精神や環境保護のため、
というのも頭にはありますが、
そこに対して大きな物理的なアプローチはあまりありません。

ブロイラーなどあまりに不自然な育て方には
若干の感覚的な抵抗感があるので、
ベジを続けることで間接的な「100円募金」
にでもなればいいかなと。
これは「かわいそう」という単純な思いだけでなく、
やはりそういう風に育てたお肉はおいしくない(可能性が高い)し、
健康面で良いとは限らないという面も。
実際に、不自然なエサで育てられた牛のBSEの問題は
まさしく典型じゃないかと。どの分野でも無理のある
大量生産が何事もギャップを発生させると考えます。

また、環境保護は非常に重要ですが、
自分の生活を投げ打ってまで大きな活動はできないので、
ベジを続けることで若干の「募金」につながればと考えます。
単純な論点は、「大量の牛肉を作るために、
大量の穀物が必要、森林伐採が発生、
メタンガスによる地球温暖化促進」というところです。
これは、国連の食糧農業機関(FAO)が既に提言している内容です。
 -> 畜産は環境への主要な脅威  緊急に必要とされる対策

畜産の温室効果ガス排出の割合は、
輸送手段(車など)を超えていると言います。
そして、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)
議長のパチャウリ氏が、個人ができる対策として、
肉の消費を減らすことを提案しているようです。
 -> 「温暖化防止にライフスタイルの変革を」、IPCC議長

それに続き、The Beatlesポール・マッカートニーも
「ミート・フリー・マンデー」という活動を行っています。
 -> ポール・マッカートニーが提唱する“ミート・フリー・マンデー”とは?

そういった「間接的な募金」が大事だとも思っています。
全財産を投げ打ってその問題に立ち向かうのは尊敬できますが、
長続きしないのであれば長期的には非効率です。
問題は一つではなく、色々な方面に無限にあります。
それに時間軸の考慮を加えれば、
自分の生活を保ったまま「間接的な募金」を
長く色々な方面に対して継続できるということも
非常に価値の高いことです。
宗教上の戒律は自分には全くないですが、
精進料理が結構好きだとわかってきました。
流派は様々ですが、仏教の五戒における不殺生戒から
来るベジと言えるでしょう。
ベジになってからでさえも先入観で、
「精進料理ぃ!?いやぁ、なんだかそんなにねぇ」
と思ってしまってましたが、
例えば、台湾素食(日本でも食べられます)は
本当においしくて感動しました。
また、(日本の)お坊さんが書いたベジ精進料理の
レシピなんかも出版されていますが、
意外に現実的でとてもおいしい料理が紹介されています。
うちのご飯でも精進料理レシピを参考に作ることもしばしば。

そもそも、インドカレー(どちらかと言えば南インド系)も
ヒンドゥー(ヒンズー)教の不殺生のポリシーから来るベジと言えます。
インドは広く、歴史が複雑なので一様にそうではないようですが、
ベジタリアン人口はかなり多いと聞きます。
外部サイトですが南インドのベジ事情の
レポートがありましたので参考に。
 -> 南インドベジタリアン事情 | 自然食レシピ&お菓子教室

お豆のカレー(ダールカレー)はとてもおいしくて、
そもそも昔から大好きでした。
ただ、乳は使うお店が多いので、
正確にはラクト・ベジタリアンですが、
(少なくとも東京では)相談次第で、
ヴィーガン対応してくれるお店もあるようです。
ちなみに、うちのご飯では、
インド料理でよく利用するスパイスを使って、
カレー惣菜みたいなのをよく作ったりしています。
おいしいんですよ。

【追記: 2013/05/03】
インドカレー屋さん、ナタラジ(銀座や青山)では、
ヴィーガンのためのナンとカレーも用意されています。
 -> ナタラジ (Nataraj)
ちょっと個人的には情報が少ないのですが(周りではあまりいなくて)、
食物アレルギーがきっかけになる方もいるようです。
食物アレルギーの問題はもっと奥深いのここでは語り尽くせませんが、
乳や卵、貝類などがダメな人はそんなに珍しくないかと。
そうすると、そもそも食べるものが限られてきますから、
そこからベジの料理を知るきっかけになったり。

もちろん、食物アレルギーは肉魚卵乳だけではありませんから、
直接的にベジにつながるわけではありませんが、
常に素材を気にして料理を提供しているベジのお店、
アレルギー対応にも意識が高いお店が多いような気もしますし、
実際にアレルギー持ちの方が、
ベジのお店に頼ってこられる方も多いようです。

全てのアレルギーには対応できないにしても、
既に肉魚卵乳がないので、アレルギー持ちの方からすると、
素材制限の何もない他のお店に比べれば、
あとちょっとの要望で自分の食べられる料理である
可能性が高いと言えるでしょう。
(お店からしてもアレルギー対応するハードルが比較的低いと)

実際にベジのお店で、ベジの概念とは無関係に「小麦フリー」の
メニューを提供してりとアレルギーにも考慮をしているお店は
よく見かけます。
ちなみに、ときどき極を負って「これはどうなの?」、
「あれはどうなの?」って追求してくる人、
または自分で自分を追いつめてしまう人もいますが、
例えば、「動物と植物の境目って?」と疑問があったとしても、
何も気にすることはないかと。

どこまで「かわいそう」と思うか、
人それぞれだし人それぞれでいいと思うし、
ベジに限らず誰もがどこかしらに線を自分なりの線を引いているもの。
バランス良く自分なりのアプローチができれば良いというだけの話。
極を追う机上の理論はどの分野でも発生しやすいものですが、
それは時間の無駄です。

追求すること自体は不健康なことではありませんので、
体力があるならどんどん考えて議論していっていいとは思いますが、
稀に単に「論破する」ためだけに追求してくる人もいるようです。
どこの世界でも同じですが、自分の常識を守るための防衛本能で
論理の「あら」を探してってのが多いでしょうね。

問題となり得るかもしれない全ての物事に対して、
全てを受け取って全てを把握して全力で
アプローチできる人はいません。
だから、できなくていいですよ。
そもそもどこまでを自分自身の問題領域とするか、
人それぞれ。少しでも自分が問題だと思う問題に対して
目の前の生活の中で最低限できることを継続すること
が大事ですから。
ディベートの勝ち負け自体には興味はないってとこで。

また、ベジの実践でアプローチしている問題の全てを
解決しようとは思わないし、できるとも思っていません。
ただ、個人ができる一つの方法にはなり得ると。
何事にも「銀の弾丸」は存在しません。
そこを無視して問題を一つの方法で解決しようとする
議論をしても、いつまでたっても何も解決できないでしょう。
切に思いますが、こういった話は様々な分野に通じる話と言えるでしょう。

// 一つの問題に対する解決法は単一とは限らない | jfluteの日記
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20110215

一方で、ベジを知ってもらうために色々と頑張ることは健康的ですが、
自分の価値観の押し付けにならないようにするのも大事で、
何事もバランスですね。
#
# 目新しい概念ではない
#
色々と考えをまとめる上で宮沢賢治の
「ビヂテリアン大祭」という短編小説がとても役に足しました。
(ちなみに、宮沢賢治ベジタリアンです)
当然古い時代のものですが、
既に高度な概念がそこには存在しました。

環境保護の話はさすがに昭和初期なのでまだありませんが、
畜産が大量の農作物を消費しているという話には
触れられてびっくりです。
「だって何年前に書かれた小説だよ」って感じです。
ベジタリアンは味に敏感で、素材の味を楽しむ、
という話も全く今と同じ、というか自分と同じ。
本当に衝撃でした。興味ある方はぜひ一度読んでみて下さい。

また、ベジフードフェスタというイベントも既に日本で行われています。
ベジにアプローチしている様々なお店が集い、食品や食事などを提供します。
とても楽しいイベントでしたよ。
(また、イベントエリア禁煙という素晴らしい運営でした)

// ベジフェス2010 終了 | jfluteの日記
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20101018

そして、ベジタリアン向けの雑誌 Veggy も日本で出版されています。
普通にベジの世界は広がっています。
自分も何冊かは Veggy を持っています。
ただ、個人的な最近の Veggy が若干読みづらい感じがしています。
広告と記事の区別が若干曖昧な感じで、ぱっと見どこ読んでいいのか...
また、ベジタリアン向けの情報誌なのに、
ベジフェスのレポート特集があまりに少ないのが、
やはり他の業界の人間からすると「はて?」と思ってしまいます。

例えば、JavaOne が開催されたらシステム系の雑誌は、
次の号でJavaOneのレポート特集があったりして、
それが自然かなと思うので...
とまあ、Veggyに「頑張って欲しいから」の思いでこう思っています。
ぜひこういった雑誌が長く続いて欲しいなぁと切に思います。

【追記: 2013/05/03】
いまや Veggy はとてもデザイン性の良い読み応えのある雑誌に!
思いが伝わったのかどうかはわかりませんが...よかったよかった。

そんなわけで、
昨日今日とか、ここ一、二年とかで出てきた概念ではなく、
既に開かれた概念であるということが言えますね。
特に欧米や台湾ではベジに対する認知度というのは、
日本よりも遥かに高いようです。
 -> 世界トップレベルのベジタリアン天国、素食台湾 ...
#
# まとめ
#
という感じで、ベジライフを楽しんでいければいいなと。

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