ホワイトボードを買ってこよう

ホワイトボード大事

もともとホワイトボードが現場で大事なのはわかっていましたが、ここ最近若い人と触れ合ったり、色々な現場に回るようになってさらに実感しました。

なぜ大事なのか...

裏紙が消えた

昔々、パソコンのない時代...とまでなると自分もよくわからないので、パソコンはあってもパソコンの中であまり便利なことができなかった時代、デスクの周りには紙があふれていました。

そもそもメモを取るためのノートやメモ紙、表や文章などを印刷して見終わった紙 (裏紙) 当然ボールペンなどもすぐ手に取れる場所にあって、ちょっと隣の人とやり取りすることになれば、それらの紙に何かしら図などを書いてスムーズにやり取りをしていました。

時代は変わりました。

パソコンが優秀になって、パソコンの中でメモやらなんやらなんでもできるようになってきて、ノートやメモなどもパソコンの中でやるように。印刷して情報を見るってことも少なくなり、裏紙自体があまり存在しないように。ボールペンなど書くもの持ってない人もいるでしょう。Pマークだとか情報セキュリティの面の意識も高くなり、そもそも机の周りによくわからない紙があるのもよくない。

なので、隣の人とやり取りしようにも気軽に絵にできるツールがその場に何もない。わざわざその小さなやり取りのためにパワーポイント開いて図を書き始めるなんて面倒。

いつしか人は「口 (くち)」だけでやり取りをするように。

言葉だけの空中戦(><

そう、パソコンが進化して仕事をする環境は、以前に比べて遥かにやりやすいものになりました。それは事実。

でも、単なる小さなやり取り、隣の人と情報共有したり、わからないことを教えたり、わからないことを質問したり、この「やり取り」が、もしかしたら以前よりも退化したんじゃないかと。

ちょっとおおげさですかね。でも少なからずそういう面があることを、そういう移り変わりがあったことを、ちょうど自分は見てきたような気がします。言葉だけの空中戦でかみ合ってない会話、よく見かけます。

なぜ大事なのか、その根本を述べているわけではないですが、「もともと必要だったものが自然と消えた」と感じるのです。

ホワイトボードこそ口

そこで、現代風なのがホワイトボード。デカイのが座席のすぐ後ろとかにあるならいいですが、そうでないなら、個人向けの小さいホワイトボードがあるといいです。それが、昔のノートや裏紙の代わりになる。

ホワイトボードまでの距離が離れていると、「このぐらいのやり取りだったら別に書かなくたって」という気持ちが場所を移動するきっかけを抑えます。でも、「このぐらいのやり取り」っていう見込みがどれほど信用できるでしょう?大抵の場合、どんどん話が大きくなってきませんか。「ちょっと 1 分だけ、お願い」って話しかけて、結局 5 分くらいしゃべっていませんか?

質問するとき、自分がわからないことをはっきりとホワイトボードにまとめて質問をする。

情報共有するとき、伝える内容をホワイトボードにまとめて絵的に伝わるようにする。

プログラミングで詰まったら、そもそもやろうとしていることを図で表現してみて、その図上で論理を組み立て直す。

ずっと前から思っていたことですが、最近新人の研修や現場のアドバイスなどをしてきて、切に思ったこと、そして、ちょっと自分の頭の中で整理してみたことでした。

導くプロセスが大切

特に若い人たちにはこのことを理解して実践して欲しい。これも一つのプロセス(を構成する一要素)です。

// 答えよりも答えを導くプロセスを
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20110530

また、概念は言葉だけではなかなか理解できない場合も。

// 実装方法よりも機能概念を
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20110531

仕事を何年もしてきた人でもこれができない人も多くいます。逆に捉えると、こういった「なんてことないけど効果の高いポイント (仕事術)」にしっかりアプローチしていれば、(現場は単なるプログラミング言語の知識だけで仕事ができるできないの優劣が決まるわけではないので) チャンスは幾らでもあるということです。

って、自分も言うだけじゃなく、(前からそうですけど) ちゃんと現場に個人用ホワイトボードを持っていってます。さらに今まで以上にしっかりと活用していこうと。

また、目に見えない思考や概念を絵的に表現すること、これをうまくやるためには、絵的に捉えることを日頃から慣れていかないとという面もあるので、DBFluteのドキュメントでは、

ReplaceSchemaの概念図
AlterCheckの概念図
排他制御の概念図
(Specify)DerivedReferrerの概念図

と、概念図などをもっと書くように頑張ろうかなと。特にDB周りは見えないものを取り扱っていますから。

別にノートでも良い

ホワイトボードが合わないという人はノートでもOKです。実際に、そういう方もいます。別に手段はなんだっていいです。

ただ、ノートで気をつけて欲しいことがちょっとあります。これは人によるかもしれませんが、

o ノートに不確かなことを書くことに抵抗がある
o ノートに一時的なことを書くとなんかもったいない

という感覚があると、積極的に利用しなくなっちゃうかもしれないので、それはもう気にしないでくださいと。

ずっと学生のときは先生が黒板にまとめた「正しい」情報をノートに書き写してきました。ノートは後でテストのときに見返して勉強するためのものでした。なので、そのノートにぐしゃぐしゃした思考中の絵やなんやらを書くのに抵抗があると。自分なんかはそもそもノート書くのが下手な方だったので、あまりそういう感覚ないのですが、特に真面目にノートをきっちりとっていた人はなおさらそういう感覚があるようです。特に女性エンジニアに聞いてみたら、そういう人が多かったです。(男子はテスト前に女子のノートを写してたからなぁ...)

とにかく
「別にノートでもいいけど、遠慮なく書いてくださいね」
というところです。

マーカーのふた

印象的な言葉を聞いたことがあります。
フリーハンドに勝る「手軽な表現ツール」はない
と。

なので、「ホワイトボード (or ノート) を買ってこよう」

で、マーカーのふたを開けっ放しで放置しないように気をつけよう

というところでした。

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