レスポンスのある人は信頼される

信頼される人ってこういう人だな!
って思ったのです。

10年以上前の昔話ですが...

若いjfluteは、出向でとあるベンチャーにいました。社員が10人くらいしかいなくて、社長は超やり手、小さな会社なのに世界的な会社をクライアントに持ち、その発言力もすごい。(クライアントから絶大な信頼)

(そのときは本当にお世話になりました。刺激的な仕事をさせて頂いたことを感謝しています)

一緒に別の会社から出向されていた方もいました。自分よりもっと年上で、自分は若く未熟だったので、その方にもたくさん頼っていました。(とても優しかったですね、ありがとうございました)

彼はレスポンスがちゃんとあるよ

(昔過ぎて、若干記憶が曖昧ですが、大体こんな感じで...)
ただ、とあるときに、社長と社員の方で話をしていて、その別の方の話をされていたのですが(いないときですね)、ちょっと「スキル的にどうかなぁ」みたいな話をされていたようでした。

そのときの社長の言葉が印象的で...
「まあでも、彼はレスポンスがちゃんとあるよ」

なので、役に立つことはたくさんあるし、何か彼で無理なことがあってもすぐにわかるから、こっちでコントロールしやすいし...

...的な感じだったと記憶しています。

とても印象的でした。が、そのときはいまいちよくわかってませんでした。レスポンスって具体的にどういうことなのかって。言葉だけ印象が強く残り時が経ちました。

レスポンスが大きなポイント

その後、jfluteは様々な現場で色々な人と仕事しました。自分も「とにかくできる人にならなきゃ」と必死にあれこれ考えてがむしゃらに行動しました。

優秀な人ってどんな人だろう?
信頼される人ってどんな人だろう?

自分がそうじゃなかったから、そういう人がどういう人なんだろう?ということが興味津々で仕方ありませんでした。なので、とにかく「人」をじっくり見てました。(もちろん、ソースコードも...見れる範囲で人のコード読みまくってました)

もちろん、今回のレスポンスだけがポイントではありませんが、レスポンスは大きな大きなポイントだと、感じるようになりました。

じゃあ、レスポンスってなに?

face-to-faceでのレスポンス

言われたことに対しては、まずしっかり答える。

わからないことはわからないとしっかり伝える。

わからないことも現時点のわかる範囲での見解を述べる。

その場で答えられなかったら時間をくださいと言って、後から必ず報告をする。(これを忘れずにやる)

もしくは、時間をかけてしっかり調べた方が良いか聞く。

自分に話しかけられたことじゃなくても、自分が答えられることが耳に入ってきたら答える。(会話に加わる)

メールでのレスポンス

まず、ほとんどのメールに目を通す。
そして、できるだけ早く返す。

忙しい時期とか大量メールに埋もれたり、すぐに返せなかったとしても、いつか必ず返す。数ヶ月後になってしまったとしても漏れなく返す。(時間が経つと "もう返さなくてもいいかな" 的になりやすい)

一つのメールの中に含まれる複数の論点をしっかり拾って、それぞれにしっかり返信コメントを入れる。(メールは一通で様々な話題が入りやすい) (メインの内容だけで返信してしまいがち)

質問されたわけじゃないことに対しても、発言できることがあればコメントを入れる。

チャットでのレスポンス

まず、ほとんどのコメントに目を通す。
そして、やばいほど早く返す。

忙しい時期とか大量コメントに埋もれて、すぐに返せなかったとしても...ってメールと同じ。(ただ、チャットってメールよりも、より "もう返さなくてもいいかな" 的になりやすいので、チャットでしっかり反応があるというのは価値が高い)

自分に対する質問じゃなくても、発言できることがあればコメントを入れる。(チャットは、グループのものが多い)

(プログラマーであれば、Githubのプルリクレビューのコメントや、Issueのコメントでのやり取りも含むと考えてください)

その他多様なレスポンス

リクエストされたわけじゃないけど、頃合いを見て情報を共有したり状況を報告したりする。(Jobスケジューラー的な行動をする、時間というリクエストに対するレスポンス)

「報告して欲しいと言われる前に報告する」って、報告される側のコストを非常に下げてくれる行為です。頃合いを見て「報告して欲しい」って忘れずに言う、ってこと自体もけっこうなストレスだからです。

(他にもあるかな...また追記するかも!? みなさんも思いついたらぜひ教えてください)

基本こそ価値が高い

って、いろいろとザラッと書きました。(あんまり構造的になってなくてごめんなさい)

「当たり前のこと書いてあんじゃん」って思います?いやまあ、その通りなんですが...それがなかなか成り立ってないのが現実だと思います。

jfluteも書きながら「ああぁ」ってのあります。こういうことを教育している立場もあるので、かなり意識して実践しているつもりですが、それでも100%徹底するのはなかなか難しい。(数社の現場からのメールが大量すぎて...><)

ちょっとしたことでもコメントするって結構大変です。それが積み重なるとそれだけで十分時間を取ります。ただ、それだけ徹底できれば価値が高いということ。なかなか他の人ができてないことなわけですし。

(jfluteではなく) これができてるプログラマーは、本当に信頼されていますし、信頼できます。業務的な話も技術的な話もしやすいので、共有も議論もしやすく頼りがいがあります。

仮にその人に間違ったことがあっても、それをすぐにフォローすることもできます。

ちょっとした共有にすぐ反応もあるので、不備の発見もしやすいので安心感があります。

逆にレスポンスがない人は、どれだけ頭が良くスキルが高くても、仕事を頼むのは不安です。(気づいたら明後日の方向に突き進んでるかもしれない)

どこの世界も、やはり「基本」に忠実が一番ですね。

成長につながるレスポンス

そして、そういう方々は、やはり優秀です。もしくは、優秀になる素質があります。実際に多くの若者が優秀になっていきました。

人から吸収する機会が多いわけですから当然です。レスポンスの数の分、「インタラクティブな思考トレーニングをしている」と言えます。

レスポンスのない人にリクエストは送らないですよね。

リクエストが送られてこない(送られてこなくなった)、ということは、そういう風に思われてる可能性もあります。それは成長チャンスが来ないということと同義とも言えます。

...

ただ、レスポンスのある人には、どんどん様々な仕事が舞い込んできます。プログラミング以外の仕事も任されやすいです。信頼できて仕事が頼みやすいですから、過負荷になりがちなのが、ジレンマですね。しかも、そういう方々に限って、コードがしっかり書けたりするので、他の仕事で手を取られるのがまたジレンマ...

リモートワークの鍵でもある

特にメールやチャットでのレスポンスの話は、リモートワークを成功させるための鍵だとも思っています。(プログラマーなら、GithubやIssueも含む)

コミュニケーションは取らないといけない、でも、距離は離れている。であればメールやチャットで精度の高いやり取りができないといけない。単純な話です。(TV会議システムとか大げさなインフラがなければ)

face-to-faceでは、質問に対して無視するってまあ基本的にはありません。答えたくなくてもさすがに面前で無視する勇気はないですよね。(ちなみに、"めんぜん" って門前のことじゃないです)

メールやチャットは「悪気のない無視」が横行します。それゆえ、やはり多くの現場では「会議室で打ち合わせ」をするわけです。オフィスで口頭でやり取りをするわけです。

勤務上の信頼やセキュリティなどのクリアしたとしても、メールやチャット (や Github) でのやり取りの精度が高まらなければ、「自宅で作業していいよ」とはなかなかなりません。

...

逆に、face-to-faceの精度も大切です。「週に一日か二日だけオフィスに来る」という感じの部分リモートワークというのは、それらジレンマを軽減する現実的な選択肢ですが、face-to-faceのときに精度の高いコミュニケーションが取れなかったら、リモート時のジレンマが軽減できず本末転倒になります。

「やっぱり、毎日オフィスに集まった方がいいよね」

という言葉が出てきてリモートワークが破綻します。

...

って、唐突にリモートワークの話が出てきましたが、「電車に乗って長時間通勤してオフィスに長時間滞在して」っての、できるだけやりたくないなって、単にjfluteが強く思っている...ってのもありますが!

「様々な原因から発生する今後の人手不足」を考えた時に、リモートワークで多様な人材を受け入れていくことが大切、と思っているのもあります。

o 通勤時間を省略し、子供のそばにいながら働くお母さん
o 家族の都合でなかなか家から離れられない方
o 家族の都合で実家(地方)に住まないといけない方

子供の少ない家庭が増えてきていますから、「家族の都合」もどんどん増えていくんじゃないかと。

コミュニケーション不足を理由に、「リモートは効率が悪い」と言われることも多いですから、他にもキーポイントは色々とありますが、レスポンス力を上げることもキーポイントの一つだなって。

...

以前、こんなことつぶやいてましたね...
https://twitter.com/jflute/status/844597604570742784
「リモートワークの本当の難しいところは、全員がリモートしてるじゃなくて、一部の人がリモートしてるという状況。社内の人は社内のノリで話を進めてしまいがちで、リモートの人と前提が合わない。リモートしてる側はそれを踏まえて会話する必要があるので、怒涛のコミュニケーション能力が求められる。」

まとめ

リクエストが来たら、レスポンスを返す。

非常に単純なことのはずですが、それが重宝されるという現状があります。

個人の成長という意味ではある意味ではチャンスなので、ちょっとでも意識してみると、周りのレスポンスが変わるかもしれませんよ。

「他人は自分の鏡」って言われますから。