こうはい extends せんぱい

先輩を継承?

若い頃は、経験不足でよく悩むものです。とはいえ、時間の流れはみんな一定ですから、どれだけ焦っても、人より早く経験を得ていくことはなかなか難しい。(無論、時間の使い方の個人差はありますが)

それどころか、人の時間と行動は限られてる。ひとりの人が多彩な経験を得ることは難しい。

小説は、人の経験を疑似体験できるツールだと、(どこかで)聞いたことがあります。自分の知らない世界を疑似体験ができる。

残念ながら、システム開発を描いた小説なんてありませんが、(んっ、あるのかな!? ...まあいいか) 近くにいる先輩たちは色々な経験をしています。経験不足に悩むなら...

先輩の経験、継承してみませんか?

あなたのすぐ隣には、素敵な先輩がいることでしょう。まあ、座席の都合上、いない人もいるかもですね。でも、オフィスのどこかにいませんか?ランチや飲み会、勉強会とかでもいいですよ。

自分はどうやって成長したんだろう?

jfluteは最近、自分はどうやって成長したんだろう?と振り返っています。まあ、まだまだ「ひっどい」自分ですが、少しは人様に貢献ができるようになったでしょうか?

ひどく怠慢な学生時代、ひどく無知で世間知らず。ここ2, 3年、若い人、特に新卒の方々と接する機会が多く、みんなを見てると本当に立派だなぁといつも感心します。なんというか、自分の何倍も大人でびっくりするみたいな(><。

その昔のjflute, 新卒研修を終え配属されてすぐ、とっても怖ぁぁぁーくて、かっこいい上司と出会いました。スーパープログラマープレイングマネージャー。職人でありながら、バランスの良い判断力とリーダーシップ。大胆でありながら、緻密でしっかりもの。みなから恐れられ、そして、頼られる存在。そして何より、楽しそうに技術話をする人でした。(上を向いて大きく口をあけてハッハッハって)

何もできないjfluteは、それはもう怒られました。怒りながらも丹念に説明してくれました。そして、およそ丸二年くらい、ほとんど隣の席でした。暇なときも、トラブルが起きても、切羽詰まってるときも。独り言なんだか話しかけてるんだか、なんだかよくわからない感じで自然と会話が始まり、

上司「これ、こうだよなぁ...いやまてよ、ってことは...」
ぼく「ふむふむ、そうですね(全然わかってない)」

そして、終わり、気付けば問題は解決している!

この人のようになりたい!

もしくは、

この人と一緒に仕事ができるようになりたい!

その人がなにか問題に対峙しているとき、発言、考え方、判断、ムード、空気など考えている「様(さま)」を見ていたものです。時には自分の仕事の手を止め...じぃぃっと笑。本質的に技術者と言えないぼくは、やはり「人」に興味があるのか、よーく見ていました。

ふとした休憩で手を止めたときに、おもむろに色々な話をしてくれました。隣の座席の特権ですね(^^/ だって自分は仕事が全然できないんだもん。自分にできることは仕事ができる人の話を聞くこと。

「あー、もう終わりにすっかー」

という大げさな口癖で帰る合図。それを聞くとなんだかぼくもおもむろに帰る準備。よく一緒に帰って、またそこで色々な話を聞きました。

普通はオフィスの外を出たらもう知らない人、それが社会人っていうムード漂う世の中ですが、そんなことは気にもせず相手にしてくれました。雨の日も、風の日も...毎日のように...

そう、雨の日、でも雨降るとは思ってなかった日、傘がなかったのですが、その上司は持っていました。

上司「傘、持ってないのか?」
ぼく「はっ、はい」
上司「なんで、持ってねぇんだよ、傘くらい持っておけよ」
ぼく「!?」
上司「想定外のことに備えておくのが技術者なんだよぅ!」
ぼく「(ずぶ濡れずぶ濡れずぶ濡れー(T_T)」

めっっっちゃ機嫌の悪い日だったようです。そういえばなんかぼくがミスをやらかした日のような...。

技術話とか仕事話でおもしろおかしく帰った日もあれば、機嫌の悪い日はとっても大変でした。他の人の怒り話でも、なぜかぼくが怒られてるみたいな(><。でも、会社では言いづらいようなこともたくさん話してくれました。

仕事での張りつめたやり取り、休憩中や飲み会のときの笑い話...ではなく、帰り道で何気なく出てくる「その中間のような話」にこそ、貴重なヒントがたくさん含まれてるなぁと。それって、日常の仕事の中ではなかなか聞けないものです。こういうの、ほとんど耳にすることなく年をとる人も多いのでは!?

そう言う意味では、その時その時の上司がぼくに対して言いたかったこと、きっちりと言ってもらえたように思います。今になってわかりますが、後輩に言いたいことがあっても、少しでも月日が経つとやはり賞味期限が切れてしまい、「もういまさらだなぁ」って感じで言わなくなるものです。それってね、後輩の方がすっっっごい損なんだよ。

大人になったら、人は他人に対して無関心です。思うことがあっても何も言ってくれません。オフィスの中ならなおさら、物事を荒立てたくないもの。

一方で、ぼくの話もよく聞いてくれました。仕事の相談もするし、全然関係ない話もするし、そこから得られるリアクションが、また自分の成長の糧でした。

昔話もたくさん聞きました。気付いたら、随分と色々な疑似体験ができたなぁと。しかも、おもしろおかしく聞いたり話したりしたんだから、つらいことは何もない。(機嫌の悪い日以外は)

話は尽きませんでしたね。

聞いて伝えて

さあ、隣の先輩にちょっと話しかけてみてください。いつまでも先輩がそばにいるとは限りませんよ。隣の座席ってやっぱり特別ですよね。自然と会話が発生する距離と向き。

たぶん...わりとおしゃべりですよ(^^。技術者は、しゃべりたくてしょうがないものだから。どうですか、人の話を聞くのは苦手ですか?

聞き上手は話し上手

聞けない人は何をやっても伸びませんよ。(ここは厳しく言いますが)

ブログやTwitterとかも要チェック。僕は身近な先輩のブログは必ずチェックしていました。何もチェックしない人は、「影響を受けるチャンスを逃してる人」、伸びるチャンスが少ない人と考えます。(ここも厳しく言いますが)

逆に先輩は、体験を伝えてあげてください。それはそれで意外なリアクションが帰ってきて、先輩にとっての新鮮な経験の拡張になるかもしれませんよ。ただ、後輩が話をまとめようとしてたら終わってあげてください。きっと、そろそろ仕事に戻りたいか....トイレに行きたいか...

似るね

また、経験は、単に昔話だけから得られるものではありません。経験を積み重ねてきた先輩は、溢れ出る経験の宝庫です。もう「経験が歩いてる」と考えてください。

その立ち振る舞い、考え方、判断、言葉、仕事の仕方、これらの多くが経験のアウトプットです。それらに触れることで、先輩の経験を体験したことにもなる。

ちなみに、不思議なものでね...

「似る」もんなんですよ。やっぱり。

一緒に仕事して、あれこれとやりとりをしていると。「考え方、振る舞い、判断、発言」などなど。そう意識してなくても自然とね、気付いたら。一緒に過ごす時間が長ければ長いほどね。

普段、近くで仕事を一緒させて頂いている方々に、jfluteの問題解決スピードを驚かれます。あんなにダメダメちゃんだったのにね。(手前味噌ですが、伝えたいことはそうじゃなくて...)

実は、単に上司の真似をしてるだけ。

似ようとしてきたし、自然と似てきたし。残念ながらぼくの実力ではなく、尊敬する人に影響されただけ。

先輩は、それだけ影響力があるわけです。そう思うと、結構プレッシャーじゃない!? 若い人たちだって、すぐに先輩になるんだよ!

良い影響を、たくさんたくさん受けてください。まあもし、悪いところがあったらオーバーライドしましょ。

成長は人と人との間に

だがしかし

安心してください。別にその先輩になるわけではありませんよ。jfluteは、そろそろ出会った頃の上司と同い年に。でも、その上司のようなかっこいい大人には...

残念ながらこれっぽっちもなれてないですねー(><。

というか、jflute は jflute で、なんともオリジナリティーあふれる独自の方向に進んでいってしまいました。そいえばその昔、こんなこと言われました。

「kuboくんはねぇ、ずっと子供なんだよねぇ、そういうもんだから、たぶんそれは変わらないんだよ」

げぇぇぇぇー(><

...うーん、子供のままなので、いつまでもぼくのまわりはみんな先輩だらけなんですね。後輩だと思ってたら実は先輩。教えてもらってばかりで申し訳ないや。

とまあ、もともとの個性がありながら、たくさんたくさん継承して、自分の考えも持ってオーバーライドして、新しい「自分」が生まれるものだと。

成長は人と人との間に生まれる

だから、人の可能性は、無限大なんじゃないですか?


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その何年後もあと、とある現場でその上司とオフィスが一緒になりました。もう帰る方角が全然違うのですぐにおしまいですが、タイミング合ったときは一緒に帰って話をしました。今はもう「おっ、帰ります?途中まで一緒しましょう」と、しっかりと言えるようになりしたね(少しは大人に!?)。互いに立場も状況も変わっていましたが、ふふふ、話すこと、変わらないもんですね。

そして、いまでも、一年に一回...二年に一回!? ぼくの方から誘って、お酒飲めてごはん食べられるところ、セッティングして、お会いする機会を作ります。いまになってわかるんですが、ある程度経つと、先輩の方からは誘いづらいものです。なので、しっかり後輩の方から誘ってあげてください笑。


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それにしても...

jfluteの行動力と探究心、そして、勇気と知恵、いまも変わらず「人」から生まれてる...みたいですね。

だからぼくは「出会い」をおろそかにすることができない。

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