良かったことを続けるために、良かったことを見失わないこと

KPTのKEEP

よく、振り返りの手法として、KPTをオススメしています。単純なフレームワークですが、単純なロスをしないために。

「単純なロス?」

今までできてたことが、気づいたらできなくなっちゃう

「そんなことある?」

あります。

個人の技能も、組織の特性も、失ってしまうことが...

なぜロスが起きる?

ズバリ...

A. 良かったことを「発見」できていない
B. 良かったことの「分析」をしていない

つまり、発見と分析です。

でもこれが、なかなかされないことなのです。

それで何が起きるのか?

それで何が起きるのか?

今月は良かった、来月はダメ、再来月は良かっ...

の繰り返し。

ダメだったときには、わりと顕在化して発見もしやすくなるので、わりと反省をして色々なトライをするので、良くなることはよくありますが、良くなるとまた次ダメになっちゃう、の繰り返し。

浮き沈み激しい!

組織的な話だと、「今年は良かった、来年はダメ、再来年は良かっ...」というスパンの長いものにもなったりして、より困難に。

また、

ダメだったときに顕在化しにくいもの

も、たくさんあります。

そういう類の良かったことは、キープできないとロスするわけです。

浮かずにずっと沈み込む...

キープこそ難しい

そう...

なんで良かったのか?の本質がわからないと、良かったことをキープできないから

なんです。

一度良かったことになると意識が薄くなってダメだったときから良くなったときも、大抵は色々な TRY をしていますし、状況も変わって別の TRY が混じったりするので、どの TRY が良かったのかいまいち明確になりません。

「PROBLEM to KEEP」はあくまで一時的なもので、「KEEP to KEEP」を長く続けることが本当の成果です。

個人の「発見」って難しい

jfluteは、多くの成長に前向きなエンジニアのフォローをしてきました。KPTも一緒にやることもよくありました。執筆時点でも多く人と関わっています。

なかなか K (KEEP) が出ないんですね。たくさんあるはずなんですけど。そういうときは jflute が色々と聞いて引き出します。まあ謙遜や遠慮もあったりするわけですが、それよりもよく思うのが...

それが、すごいことかどうか、よくわかってない

まあ当然なんです。経験が少なければ、比較対象も少ないわけで。

じゃ経験を積めばわかるようになるかというとそうでもなく、経験が少ないときに発見できず分析しないと、論理が積み上がらないのでずっと発見できないまま。ここは、ググっても調べられないことばかり。

気づいたらその良いところ、消えちゃうことも。環境が変わったりすると、人の意識や行動も変わるので、自然とその良いところを出さなくなっていたり。

組織の「発見」ってなおさら難しい

jfluteは、多くの現場のフォローをしてきました。いま執筆時点も数社の現場を回っています。組織上の悩みなどを相談されることも多いです。

こないだ現場の人とちょっと昔話をしました。

jflute「これこれすごかったねぇ、良いチームだったね」
superI「それってそんなにすごいことだったんですね!」
jflute「そうだよぅ、他じゃあり得ないよ、まず見ない」
superI「なんか当たり前だと思ってましたが...」
superI「まあ、確かに最近そういうことないですね...」

別の現場でも...

jflute「これは、なかなかよそでは無いことだなぁと」
superA「えっ、そうなんですか!?」
jflute「だよぅ。やはり地道なこういう TRY が効いてるね」
superA「確かに。全然着目してませんでした...」

ちなみに jflute は、お世辞はほとんど言いません。superKYだから、ダメなものはダメだと言っちゃうし、良いことは良いことだーと言いたくてしょうがない。

個人の問題よりももっと見失いやすいかもですね。人生で経験できる現場の数ってすごい限りがあるし、転職転職しても時間が経ってしまって比較が難しい。

たまたま、jfluteは出向出向で何社も回ってきたし、長い期間、同時に数社の現場を見ているので、そういう比較がすごくしやすい環境にあるから。

ズバリ...

思ったより、みなさん、自分の現場の良いとこわかってない!

って思っちゃったりします。

なので、自分(jflute)のような立場の人が、もっともっと言っていったほうがいいかなと思ったり。

だって、

気づいたら、その組織の良い特徴が失われてた

って悲しいですから。

組織は、人の入れ替わりもあるので、なおさらKEEPが難しい。「良いとこを発見している状態」のKEEPすら難しい。ちょっと気恥ずかしいかもしれませんが、まずは認識することです。(わたしたちここがすごい!って)

※もちろん、状況変化でそもそも良いことの定義が変わることもありますが、普遍的なものだって多いです。

分析のスタートラインに立とう

発見ができたら、次は分析が待っていますが、分析手法に関しては今日のブログでは触れません。

良いところのアンチパターンの大きな特徴に焦点を当てたいと。

まず見失わないこと、これが一番

本屋で、問題解決のコーナーで印象的なのが、「問題解決」と「問題発見」で本が違ったりします。

問題を発見すること自体が非常に難しいわけです。良いところを発見することだって難しいでしょう。

比較がないと価値にならない

もうひとつのアンチパターン、でもこれはKEEPの話に限らない共通的なことですが...

ズバリこれ!

// 未来しか見ない人は過去に戻りたい?
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20161220/futuregopast

人は、比較対象があって初めて、その価値を定義付けることができる

と思っています。

サッカーやってる人が自分ひとりしかいなかったら...自分のドリブルがすごいのかよくわかりません。

もし、あなたが火星に移り住んだとして、火星のお金っぽいお札一枚を拾いました。それで何が買えるのか?他の人はどれだけ持ってるのか?さっぱりわからなかったら、喜べるでしょうか?(あっ、ちゃんと警察に届けてくださいね)

さすがに世の中、人はたくさんいるし物もたくさんあるので、そのレベルであれば比較できないってことはないでしょうが...

「個人の思考や行動、技能に成果」など
「組織の特徴や効率性、チームとしての能力」など

こういったものの比較対象を探すのは大変なことです。
なので...

過去は、手軽に手に入って、状態も似ていて比較しやすい素材です。

これを分析しないなんてもったない!って jflute は思ったりします。

未来のためにね。