誰もマイクロマネジメントしたいわけではないだろう

何か理由があるんじゃないの?

マイクロマネジメントという言葉を聞くようになりました。

たぶん昔からあったと思いますが、jfluteはあまり馴染みがなかったのですが、昨今「自主的で自由な組織」を目指す会社も増えてきて、否定的な意味で利用される言葉として、よく聞くようになったのかもしれません。

「まあ、それはそれで良いことだなぁ」と思っている一方で、マイクロマネジメントという言葉が独り歩きしているように思うこともあります。

「何がマイクロマネジメントなの?」
「それはマイクロマネジメントなの?」

また...

「マイクロマネジメントはやるべきではないから、じゃあ全く何もやらない...で本当にいいの?」

というのを感じるようになりました。

またまた...

「マイクロマネジメントをやってる人は、本当にマイクロマネジメントをやりたいのか?」

そこも疑問に思うようになりました。誰だってやりたくないと思うんだけど、何か「理由があるんじゃないの?」って。

...

いずれにせよ、結果的に組織が良くならなければ、正しかろうが正しくなかろうが関係ありません。2017年はそんなことを考えた年でした。

何がマイクロマネジメント?

月並みですが、Wikipediaの "マイクロマネジメント" を見ると、ポイントになりそうな言葉として、

「強い監督・干渉」

そして、

「業務のあらゆる手順を監督し、意志決定の一切を部下に任せない」

があります。

ふと思ったのが、
「強い・弱い」というパワーの軸と、
「細かい・細かくない」という粒度の軸、
二つの軸があるということ。

マイクロマネジメントという言葉から来るイメージとしては、後者の「細かい・細かくない」が真っ先に来ました。

例えば...(ロールプレイングゲームをイメージ)
o 武闘家にあっちのモンスターを攻撃させて...
o 魔法使いにあっちのモンスターをメラさせて...
o 僧侶にメガンテを唱えさせて...

という風に、
対象のモンスターまで決めて、
事細かくコマンド入力するイメージ。

一方で、前者の「強い・弱い」は...
例えば僧侶が「いやいやメガンテ勘弁、別の方法でどうにかするから、それだけはー」と言った場合に、やはり最初のコマンドを強いるか、相談に乗って別の策を考えるかそこだけは任せるか、そういう要求の強さがあるかなと思いました。

つまり、こういうマトリックスになるのかなと。

強い 弱い
細かい A B
細かくない C D

細かくコマンド入力して、
嫌がる僧侶にメガンテ唱えさせるのは "A"。
(細かい・強い)

良かれと思ってメガンテを命じたんだけど、違う方法が良いと提案されて議論するのが "B"。
(細かい・弱い)

したら「細かくない」って、なんでしょう?

例えば「いのちだいじに」という方針があって、どう戦うかは各人に任せる(チームに任せる)、というのであれば、細かくはなさそうです。

でもそこで...

僧侶「『いのちだいじに』って言っても、ここは一気に倒しちゃった方が世話ないね。おれメガンテ行くね、えーい」

勇者「いやいや、ちょっと待ってー、別に普通に倒せるし経験値も入らないし、君がいないと他の人を回復できなくなって、長旅できないからそういうのダメー!」

って止めたら "C" なのかも。
(細かくない・強い)

勇者「まあ、現場でそう判断したのであれば、それはそれで尊重するよ...さようなら僧侶」

ってなったら "D" なのかも。
(細かくない・弱い)

"D" (細かくない・弱い) は、もはやマイクロマネジメントというイメージとは完全に離れているように思えます。

"C" (細かくない・強い) は、どうなんでしょう?あまりマイクロな感じではないですが強いです。

...

と色々ともやもやするのは...

実際に、"C" はおろか "D" も含めて、マイクロマネジメントという風に捉えて議論されるときがあるように思えたり...

"B" は確かにマイクロマネジメントっぽいけど、局所的には必要な場面もありそうだけど、細かいだけで一律否定的に捉えられたり...

実際には、"A" を無くすための、"A" があったりしないだろうか...

もろもろが、空中戦になっているような気もしています。

jfluteとしては、ここが曖昧なままブログも書けないので、勝手にざっくりこう定義にしてみました。

A と B,
つまり細かいのは、マイクロマネジメント

C と D,
つまり方向性的なものは、マクロマネジメント

って、考えてからググってみたら、やはりたくさん出てきました。ちゃんとそういう言葉もありますよね。

互いに関連し合ってると思えるので...

マイクロマネジメントを議論してるのに、マクロマネジメントが出てこない

のはバランス悪い。

マクロマネジメントの必要性

そんなことを考えるきっかけをくれた記事がありました。

暇だったからValveの新入社員用マニュアルを
20000字ぐらいで翻訳してみたよ | ゲーマー日日新聞

すごい自主的な組織を実現している会社のようです。マイクロマネジメントとは無縁なように思えます。すごいマニュアルですよね。ですが、マイクロマネジメントを無くすための「強いマネジメント」だと思ったんですね。

それ自体はマイクロマネジメントなのか?
マイクロマネジメントしないように
マイクロマネジメントしてるのか?

局所的にはいろいろと解釈できるかもですが、
これは...

強いマクロマネジメント

だと思いました。

また、逆にここまでしないと、自主的な組織を実現することができないんだろう、というのも感じました。
(マニュアルを作ること自体すごい労力ですし、内容を精査する上でみなの同意を得るために、ものすごいマネジメントしてるだろうと想像します)

世の中の人間に染み込んだ「デフォルト」に対抗していかないといけないわけなので...

強い方向性付け

がないと、恐らく自然と (この記事の言う) 伝統的な組織になっていってしまうのだろうと。それは日本だけじゃなく海外も同じなんだろうと。

つまり、「自主的で自由な組織」って...

マネジメントがないわけじゃなくて、マクロマネジメントが徹底してるのかな?

「jfluteの身の回りのマイクロマネジメントがあまり存在せず、みんなの自主的な行動が多い現場」をよくよく思い起こしてみると、確実に強いマクロマネジメントは存在してる、という風に感じます。

o 採用で会社の風土に合う人を採用する
 => 採用ブランドとして、そういう風土を前面に出す
 => 面接官に会社の風土や大切にしてることを共有

o 会社の風土を既存社員にちゃんと共有する
 => きっかけがあるごとに社員に伝える
 => 会社の中心の人たちを実践して手本になる

o チーム間でコミュニケーションを取るきっかけを作る
 => 雑談が生まれやすいオフィス環境を整備
 => 別のチームの人と交流するぷちイベント
 => 会社全体で盛り上がる大イベントを開催

などなど...(他にもいろいろあります)

例えば、自主的で自由な組織になるためには、社員同士が仲が良いことが前提になると感じていますが、放っておいてもそんな簡単に仲良くはならないもの。かといって「仲良くしろっ!」ってもならないもの。「仲良くするための仕組みや環境」を会社が提供して、徐々に仲良くなっていくものだなぁとしみじみ思います。論理的にも物理的にも空間設計が大事かなって。

先ほどの記事、新入社員用マニュアルの中に、印象的な言葉がありました。

「なるべく自由な環境を維持しています。」

自由な環境は "維持" するものなのですね。であれば最初は "作り上げるのもの" なのでしょう。

僧侶「なんか、ずっとザラキでいいや、考えるの面倒」
勇者「いやいや『いのちをだいじに』をだいじに」
僧侶「えっ、でも自由で自主的でいいんだろ」
勇者「今回のこのパーティの旅の目的からしたら、
チームのことを考えて行動して欲しいなと...頼む」
僧侶「えっ、なんか自由じゃないね。
それマイクロマネジメントってやつ、あーやだやだ」
勇者「ラリホー
僧侶「すやすやすやZzz」

薬のようなマイクロ

また、マイクロマネジメントも
「全くないわけじゃない」ようにも思えます。

...

勇者「めっちゃ全滅しそう『いのちをだいじに』!」
僧侶「そうだな、ホイミがいいかなー、俺に」
勇者「あっ、ちょっと...あの口出しは良くないんだけど、
ここはベホマラーの方がいいんじゃないかと思って...」
僧侶「いや、MP使うし疲れるし。ザラキの分のMPがなくなる」
勇者「でも、もう次のターンで全滅しちゃうよぅ」
僧侶「指図するの?マイクロマネジメントになるぜ」
勇者「うぅぅぅ...」

勇者 (僕が言うとダメだ、同僚の魔法使いに言ってもらおう...)
魔法使い (えっ、あまり話したことないのでちょっと...)
勇者 (みんな仲悪いんだよなぁ。じゃあ、同僚の武闘家に...)
武闘家 (えっ、いつも回復してもらってるから逆らえない...)
勇者 (なんか上下関係できちゃってる><)

僧侶「やっぱザラキ!」
勇者&魔法使い&武闘家「あぁーーーー」

(しかし、はぐれメタルには効かななった)
(はぐれメタルはギラを唱えた、ドガドガっ)

勇者&魔法使い&武闘家&僧侶
「ぐはーーーー」

王様「しんでしまうとはなにごとだ!」

...

普段はポリシーだけ決めて任せていても、一歩でも間違えると全滅するような緊迫した場面だけ、コマンドに切り替えて細かく指示とかありませんか?

この場合のマイクロマネジメントは、"薬" のようなものだと考えます。普段はあまり多用はしたくないけど、いざってときの処方箋として頼って危機を回避すると。

会社の業務でも、そういう場面はあるように思えます。明らかに危ない判断をしようとしている場合や、会社のポリシーとはかけ離れた行動してる場合など。特に、まだ組織が成熟していない場合は、同僚からの提案もあまり効かないこともあります。(例外の通り、知らんぷりや暗黙の上下関係など)

「まあ、徐々にわかってもらえれば」

というのはある程度はそのとおりなのですが、その前に会社がつぶれてもしょうがないし、チームが崩壊してもしょうがないです。

魔法使い「あの人と一緒イヤ、退職します」
武闘家「いざってとき勇者(会社)は助けてくれない」
魔法使い&武闘家「勇者(会社)は他にも一杯いるし」
勇者「あーーーー、重要な二人がいなくなるー><」

...

マイクロマネジメントをなくすための、マイクロマネジメントというのも、"時々は" 必要なのかもしれません。

一瞬の教育マイクロ

勇者「みんな、いのちだいじに、だからね!」
みんな「はーい」
勇者「おお、わかってくれるじゃん」

魔法使い「どうだいじにするの?メラしか知らない」
武闘家「攻撃しちゃいけないのかな...防御のみ」
僧侶「敵にホイミ、敵のいのちだいじだもんね」

勇者「うむ、ぜんぜん戦闘にならない...」
勇者「ぬぉ、強い敵出たきた、危ないぞ!」

みんな「ワカラーン、ワカラーン」

勇者「じゃあ、今回は細かくやるので参考にして!」
勇者「魔法使いはスクルト、敵の攻撃力が強すぎる」
勇者「武闘家はあっち攻撃、一発で倒せたら安全」
勇者「僧侶は、ピオリムやって、次のターン回復」

みんな「勝ったー、なるほどー」

マイクロマネジメントしていますが、
緊急回避的かつ教育的な目的があってやることも
あるかもしれません。
まあ、これも "薬" と言えるかもですね。

ただ、ちゃんと前置きか、理由などを添えないと、
また「シジクレー」になってしまうかもなので、
ニュアンスの演出は大切ですね。
指示のやり方を伝えることが目的の指示として。

【追記】
Twitterで、貴重な意見を頂きました。
SL理論、こちらにも注目したいですね。
https://twitter.com/jflute/status/956453748573749250

マクロがないからマイクロ?

というか、
マイクロマネジメントはなぜ発生するのでしょう?

僧侶「ポリシーは?それを参考に判断していこうかなと」
勇者「いや、特にないけど。好きにして」
僧侶「いやでも、さすがに何もないとみんなバラバラだよ」
勇者「いやいや、自由が一番」

僧侶「いのちはだいじだ、魔法使いにべホイミ!」
魔法使い「ボミオスとか楽しい、先制を重視しよう」
僧侶「でも武闘家いるから、どうせ先制攻撃できるし...」
魔法使い「ギラっ」
僧侶「いやなんでもありません」
武闘家「いかづちの杖!均等に倒すことを重視しよう」
僧侶「でも武闘家さんの力で一体ずつ倒したほうが安全...」
武闘家「ベギラっ」
僧侶「いやなんでもありません」

(全滅)

僧侶「みんな向いてる方向がバラバラで効率悪いです」
勇者「じゃあ、君が好きにしていいよ」
僧侶「えっ!?」

僧侶「えっと、魔法使いはメラミで...」
僧侶「えっと、武闘家はあっちに先制攻撃...」
魔法使い (...)
武闘家 (...)
僧侶「うまく倒せた...でも毎回細かく指示するの大変」
魔法使い「指示クダサーイ、ワタシ二クダサーイ」
武闘家「指示クダサーイ、ワタシ二クダサーイ」

僧侶 (いやー、自分で考えてうまく動いて欲しいな...)
僧侶 (でも、こうでもしないとまともに戦闘できないし...)
僧侶 (ポリシー掲げるか!上司じゃないけど俺がやるしか)

僧侶「ポリシー『じゅもんせつやく』長旅を想定しよう」
魔法使い「イオナズンイオナズン♪」
武闘家「回復をせつやくするために防御だ」
僧侶 (なんかあんまり浸透してない。1on1で話し合っていこう)
僧侶 (ってか、俺なんでこんなことやってんだろう...)
僧侶 (これが中間管理職ってやつなのか...)
僧侶 (でも上は何もやってくれない...ぶつぶつ)

僧侶「このパーティ辞めたいです」
勇者「えっ、なんで自由なのに?」

僧侶「ちょっと色々とうまくいかなくて疲れちゃって...」
勇者「ああ確かに君、マイクロマネジメントしてたでしょ」
僧侶「えっ!?」
勇者「困るんだよ、そういうの」
僧侶「いや、でもそうしないと状況が状況で」
勇者「君はそういうの性格的に好きなんだね」
僧侶「いやいや、つらいのでポリシーも決めましたよ」
勇者「それもマイクロマネジメントでしょ、無理強いさせて」
僧侶「えっ!?」
勇者「あーもう困るんだよ、そういうの」

僧侶「...ザラ...ィ」
勇者「ん?なに」
僧侶「...ぼくにはザラキしかない」
勇者「なにぶつぶつ言ってるの?」
僧侶「...もう自分勝手にザラキしよう......」

誰もマイクロマネジメントしたいわけではないだろう

マクロマネジメントもない、マイクロマネジメントもない、となると、それはもはやすでに「荒野」とも言えるように思えます。組織にならない。チームにならない。

もちろん、「荒野」になってこそ、チームがまとまることもあります。ただそれは「ギャンブルマネジメント」と言えるかもしれません。なぜなら、他にも会社はいくらでもあるからです。

性格的なマイクロマネジメントもあるかもしれませんが、jfluteを現場でマイクロマネジメントを見かけるとき、「せざるを得ない状況から抜け出せなくなってるだけ」という印象がほとんどです。

もちろん、抜け出せるかどうかも本人の努力次第ですが、個人のパワーで抜け出せるほど、そう簡単なことではないとも感じます。その努力の前に、他にも会社はいくらでもありますから。

マイクロされないようにするには?

一方で、個人として、マイクロマネジメントされたくないなら、どうすればいいのか?それを考えるのも大切ですね。

結局...

o 心配だから
o 大きく逸れてるから

マイクロマネジメントに発展してしまうわけですから、心配させなきゃいい、大きく逸れなきゃいいわけです。

o 指示される前に、自分のやるべきことを提案する
o 要求される前に、要求を探し当てて準備する
o なにか迷ったら、報告して相談する

究極はこれです。これができてる人にマイクロマネジメントをすることはほとんどないでしょう。

待ってるから、マイクロマネジメントされるわけです。指示や要求が来たら「ああ、遅かった」と思うくらいで、個人の意気込みとしてはちょうどいいでしょう。

完璧ではないにしてもできるだけ全体を見て、最適な効果を出す自分の役割を常に考えて、「いまのプロジェクトにはこういう問題があって、こうした方が良いと思うので、自分がやりますよー」と、"見えてないタスク" を見つけて先に提案したり...外れることもありますが、別に提案だからNo Problem。

具体的な依頼に対しても、その実現方法などは、同様にこちらで考えて相談・提案したり...できるだけ指示コストの低いワーカーを目指す方が、逆に自分のやりたいこともできる、という感じですね。

ただ、結果に対する集中力は切らしていけません。自由な分、ダメだったら速攻で槍で刺されますから、責任も重く精神的な負担(プレッシャー)も強いです。

(そのトレードオフがあるので、指示を待つほうが楽だと考える人もいるかもしれません。自由ではありますが、決して楽ではありませんから)

...

個人でこういう思想を持つというのは大切ですが、こういった意識と行動をみんなに持ってもらうために、マクロマネジメントが必要になることもあるでしょう。

最初からこういう思想を持っている人だとしても、仲の悪い現場、信頼できない現場では、行動しない (行動しづらい) 可能性がありますし。働く環境、働く空間で右も左も変わってくるかもしれません。

信頼関係のプロセス

結局、要求する側と実行する側の、双方の信頼関係次第だと思いました。

要求する側が、実行する側を信頼してるか?
実行する側が、要求する側を信頼してるか?

つまり、信頼を積み重ねるための双方の行動は必要で、ときにそれがマクロマネジメントかもしれませんし、ときにピンポイントでのマイクロマネジメントかもしれません。

jflute個人としては、とにもかくににも...

何もしないというのは、ただの荒野を作るだけ

というのを、経験上、強く感じています。

特に、信頼が安定した土壌を作るまでは、ダイナミックな工事が必要だと考えています。先の紹介したブログの会社も、最初から簡単にそういった風土を作ることができていたのでしょうか。

...

まだまだわからないことがたくさんあるので、勉強していきたいと考えています。

そういった風土になるまでのプロセス

というのにも着目していって、もっともっと悩みたいなと考えています。「なるまでの構築」と「なってからの維持」は、コツが似て非なるものだと思っています。

バレエのバーレッスンと同じように、最初は補助を付けて理想の形を覚えてから、そのうち補助なしでできるようになる、そういう成長を遂げていくのが私たちのはず。

僧侶「いい感じにホイミします」
魔法使い「僧侶と連携して攻撃魔法します」
武闘家「先に倒した方が良い敵を攻撃します」

勇者「いま何を大切にしたいか、しっかり伝えます」

でないと、技術に集中できない。
技術を楽しめないから。

// 仲の良いチームじゃないと成り立たない技術がある
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20170805/friendlytech

// SL理論は、組織作り・チーム作りでも通じるか?
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20180820/slteambuilding

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