「Aをしたのに、Bにならない!」
という相談を受けてフォローすることがよくあります。つまり、論理的矛盾が発生しているってことですね。
「Aしたんだから、Bになるはずでしょ!」
って。
でも、なってない。
はい、論理的矛盾です。
第一の思い込み前提「結果」
まず、「Bにならない」という前提を疑いましょう。
「Bにならないのはどうやって確認したか?」
「もういっかい改めて実行したらBにならないか?」
わりとここで解決することも多いです。
要は確認が甘かったと。
古い結果を見ていた。見るところを間違えていた。一部のデータだけ見てならないと判断してしまった。などなど。
確認が甘いなんて認めたくないものですが、どんなベテランでもミスはするものですから、
遠慮なく疑いましょう
ほとんどミスしない人っていませんか?
すぐに疑って自分のミスを補ってるのです。
第二の思い込み前提「行為」
つぎ、「Aをしたのに」という前提を疑いましょう。
「Aをしたというには、本当にやり切ったのか?」
「Aをしたつもりになっていないか?」
わりとここで解決することも多いです。要は詰めが甘かったと。
ファイルの保存をし忘れていた。コミットをし忘れていた。修正したけど、そこ誰からも呼ばれていなかった。A以外にCも同時にやっていて影響を与えてしまった。などなど。
どんなベテランでもミスはするものですから、
遠慮なく疑いましょう
第三の思い込み前提「そもそも」
さて、ここまでは自力で打破しやすいのですが、
「Aは確実にしている、Bになってないことも確実である。最強の論理的な矛盾だ。うわーーーーー」
となって、あれこれさまよってハマっている人が多いです。でも、論理的な矛盾が発生しているということは、絶対に何かが間違っているわけです。
思い込みを探すのです。
絶対に何か思い込んでいるはずです。
そ・も・そ・も...
jflute「Aをしたら、Bになるんですか?」
頑張る人「えっ!!!ならないんですか?」
jflute「いや、ならないかどうか知らないけど、もう論理的な矛盾で詰んでるわけだから、そこを疑うしか無いよね」
頑張る人「いやっ、まさかそんなわけ...」
jflute「それってどこから聞いたの?」
頑張る人「うーん、誰かそう言ってたような気が...」
jflute「Aをしたら、Bになることは証明されてるの?」
頑張る人「うーん、他のは今までそうやって動いてたし...」
jflute「それは、AだけじゃなくSとTもやってるから、Bになるんであって、別にAだからってわけじゃないとか?『プロジェクトA』の見過ぎだよ」
頑張る人「うわーーーー、トゥ、バシっバシっ」
jflute「うおっ、何をぅ、えい!バシっバシっ、トゥ」
...
根本を疑うのです。なかなか思い込んだ根本を疑うって難しいものです。だって、いまその前提に立って考えているわけだから。
でも、論理的な矛盾で詰んでしまったわけですから、ひとつ階段を降りて、すでに登ってきた論理を、丁寧に崩すしかないのです。
当てずっぽうに「あれかなぁ、これかなぁ」ではなく、まだ論理分析は終わってないので、丁寧に。
...
場合によっては、さらにその根本の根本まで疑う必要もあるかもしれません。思い込みがネストしてる可能性もあります。地道に地道に降りるのです。どこかに思い込みがあって、道を踏み外しているはずです。
ということで、
"そもそも" を遠慮なく疑いましょう
仮説が思い込みになることも
こちらのブログの通りです。
// 自分の中でデマを広げさせない | jfluteの日記
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20110619/nodema
論理を積み上げてきたときは仮説として捉えていたことが、しばらくして気付いたらその仮説が思い込みになってしまって、戻れなくなってしまうことがあります。
仮説を仮説のまま頭の中で保持し続ける力
仮説だってことがキープできていれば、論理の行き止まりに到達した時に、すぐに戻ってこれます。
行き詰まったら自由
けっこう、精神状態って重要だと思っています。切羽詰まってくればくるほど人は視野が狭くなりますから、「あれーーーーーーーーー」ってなったとき、つまり、論理的に行き詰まったとき...
そのときこそ論理ゲームのスタート地点!
その感覚で挑んで、右左だけではなく、上下にも視野を広げて、プレッシャーを楽しんでいきましょう。
// 論理的に行き詰まったとき、からが始まり
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20140613/zerostart