「ニュアンス」と「エンジニアの心得」という新卒研修のお仕事

昨年、2017年に、とっても意外で、とっても嬉しかったことと言えば、jfluteとしては、こちらですね。

「”価値あるサービスを生み出すエンジニア”になるために」新卒エンジニア研修を全公開! | REACH ONE ビズリーチのイマとこれから

新卒が成長して新卒研修を

入ってくる新卒のスキルの前提や、会社としての状況の変化から、新卒研修自体の形が変わってきて、講義形式から実践形式に変わってきました。

というか、もともとそういうのもやりたいね、でもフォローできる体制がなかなか整わない、というところでしたが...

新卒研修を受けた新卒が成長して、自主的に新卒研修の運用をしていく

これが年々しっかりと積み重ねられて、jfluteも驚くくらい自己組織化されていました。(素晴らしい...)

ということで、「そろそろ俺もあまり出番ないかな」と感慨と寂しさの狭間にいたのですが...

「jfluteさんの話は新卒に聞いて欲しい」

と、言ってくれて、(わりと)急遽、週一でお話することになりました(^^。

ニュアンスの技術話

実践に寄った分を補完するように、もう少し高度な技術のお話、現場ニュアンスを含んだお話、をさせて頂きました。

具体的には...

o DB設計の実践とjfluteレビュー
o 例外ハンドリング徹底(例外の翻訳)
o オブジェクト指向の補足
o Lambda式、Stream API, Optional
o map()とflatMap()の違い
o DIコンテナとは?
o フレームワークとは?
o オープンソースとは?
o レビューしやすいコードとは?
o 素早い操作をするためには?

基本的には、新卒研修担当の方からの要望ですが、その場で新卒たちの理解度見てのアドリブもあり。

これらを「現場では...」とか、「こういう解釈の人もいるし、こういう...」とか、「歴史的にはこうなってからこうなった...」とか、様々なニュアンスと一緒に理解していくのが、jflute流です。そこ大切に思ってくれるのは嬉しい。

また、できるだけ、「ソースコードを読む意識が付くような説明」を心掛けています。何かと「ctrl+クリック」して奥のコードを読んで、「だからこうなっているんだよ」的な感じで。JavaAPIだろうが、ライブラリだろうが、ちょこっとコードを覗いて確認をするのが当たり前、という風なのが少しでも伝わればと。

個人的には、オープンソースってなに?ってのを、この段階からしっかり知ってもらうことも大切だなと。まあ、オープンソースプログラマーですから、オープンソースのお話いくらでもしますよ^^。

エンジニアの心得「よもやま話」

「よもやま話」と呼んでいて、一日の最後に、ひとつお話をします。

jfluteの日記からピックアップして、ブログを紹介するわけですが、jflute本人から色々なエピソードなどを交えて、ニュアンスとともに心得を伝えていきます。

これは数年前からお約束のようにやっていて、ぶっちゃけ勝手に(!?)やっていたわけですが、これをぜひ「新卒には聞かせたい」と、前の新卒たちが言ってくれたわけです。そんな風に思ってくれていたなんて、涙出るほど嬉しいことですね。

さて、2017年は何をやったかな?記録を見ないと思い出せないので見てみると...

// 答えよりも答えを導くプロセスを
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20110530/1306729010

// エラーメッセージ読め読め大合唱
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20130522/errorsinging

// ドキュメントを無料(タダ)だと思っている?
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20170402/documentfree

// SIとスタートアップの違いを知ろう
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20151007/sista

// 技術的負債の返済プロジェクトが失敗する 11 のワケ
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20170211/deptagain

// 独学のきっかけ、技術欲、問題解決欲、自己成長欲
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20160210/selfgrowth

// 質問のコツその一: なんでその質問してるのか?も伝えよう
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20170611/askingway1

// 90パーセント終わりました、って何パーセント?
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20110702/whatninety

// プログラマーに求められるデザイン脳
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20170623/desigraming

// 既存コードの甘い匂い (悪意なきチグハグコードの誕生)
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20160203/existingcode

// 成長するかしないかは選べる
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20160316/selectgrowth

// こうはい extends せんぱい
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20131124/extendsmaster

// サービス開発者は、それ必要?いつ必要?スキルが求められる
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20170708/servicepriority

// レスポンスのある人は信頼される
http://d.hatena.ne.jp/jflute/20170828/responsetrusted

結構ありました笑。

一日一回だけでなく午前終わりで時間が空いたときとかにもやっていたようです。

でも、これでも取捨選択しています。その前の年からしたらしゃべる機会が少ないので、毎日の恒例みたいな感じにはできないので厳選しました。

でも、また新しくブログ書いてあるから、厳選も変わってくるかもしれませんね。

一生懸命やっていれば驚けるよ

あと、DBFluteハンズオンも入ってます。最初のさわりだけでも全員で。厳密には、配属次第でDBFlute使わない人も多くなってきているのですが...(そもそもJavaじゃないって人もいるし)

o DBFlute自体から学べる思想やノウハウ
o ハンズオン自体から学べる技術力

これを買ってくれたようです。そのように作ってきたつもりですから、よりいっそう嬉しい驚きです。

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また、新卒研修を受けた方々から、DBFluteオープンソース活動を手伝ってくれる人たちも出てきてくれたこと、これまた予想外の嬉しい...

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まだあるよー。「考え方もオープンにしたい」ってことで、整理整頓も兼ねてブログしっかり書いてきたら、こんな風に自分の仕事に役立つなんて!書いてるときは、思いませんよそんなこと。

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「新卒研修、頑張ってきて良かったんだなぁ」

ちょっと個人的な感傷ですが、そういう風に言えるって幸せだなと。なんか本当良かったなぁって。

一方で、昨年は伝えるチャンスが少なかったですから、どれだけ響かせられるかって非常に不安で怖かったです。チャレンジャーのつもりで集中していたと思います。それで新卒自身に紹介記事のようなこと書いてもらえて、ああ、良かったぁってホッとしてます笑。

今後も色々な変化があると思いますから、こういうのいつまでできるかわかりませんが、いつでもチャレンジャーの気持ちは忘れないようにしたいなと。

...

何ごともそうですね。最近ひしひしと感じます。

一生懸命やっていれば予想もしない形で、積み重ねが嬉しさになって跳ね返ってくるよ

その驚きを楽しみに、目の前のことに集中したら、いいんじゃないでしょうか?