一つだけ、じっくり作ってみませんか?

おもしろいというか、「ああぁ」という記事を発見。

// 残念なソフトウェア開発の現場は、
// 沈みかけの巨大な船に乗った航海に似ている
http://anond.hatelabo.jp/20130310152356

かなり的を得ている物語になってるなー、って。

jflute自身は、その昔はわりと見てきましたが、
幸運ながら最近はこういう現場はあまり見かけません。
(なので、この話の記憶は 5, 6 年以上も前の感覚)

が、DBFluteユーザーの集いとかでめちゃ話に聞き、
その度に脱力します。

「まだ、そういう現場あるんだなぁ...」
って。

また、話に出てくる「彼」と大昔のjfluteがリンクして、
ちょっと悲しい気分にもなります。

明らかにスピードの出ない効率の悪いやり方で、
でもそれが効率が悪いと誰もわからず、
決定権のある人も全くそんなことは気にせず、
というか誰もその仕組みをわかっておらず、
「今まで同じようにじゃないと」という呪縛から
逃れられない開発現場。

いや、もちろん、途中から舵を切るのはとても大変。
だから「今までと同じように」は一方で大事なこと。
でも、ここでも 1 or 0 の論理が働き。
「完全に改善するか or 完全に今まで通りか」
という極論に。すると後者になること請け合い。

ただ、jfluteは「彼」と違って謙虚ではないので、
少しでも改善を推進した方かもしれませんね(><。
1 or 0 じゃなくて、0.3 とか 0.7 って、
バランス指向な選択肢を探して。
決定権のある人とバトルして(^^若気の至り...。

でないと、いざ黒船が出てきたときに追いつけないから。
その準備ができてないのに、
黒船が出てから一生懸命こいでもスピードは出ない。
うん、実際に何十人でこいでもスピードは出なかったよ。

ほんの少しだけでいい。ほんの少しだけ振り返って、
「本当の勝負のときの強さ」を、
システムと人(ひと)が身に付けていかないと、ね。
jfluteは、プロトタイプ実装が大事だといつも思ってます。
一つだけ「作りとして完璧な画面」を作るってのを。
ここ最近からではありますが、今も実践しています。
みんなは、それを参考に自分の画面を作っていくと。

当たり前と思われるかもしれませんが、
実は現場ではあまり見かけません。
みんな参考にしているプログラムはバラバラ。
だから、作りはどんどんバラバラに。

途中からでもいい、一つだけ作る。
既存の画面も修正タイミングで合わせられるなら合わせる。
でも無理はしない。ただ、新しい画面はその通りに作る。
単純に目に見える効率化だけでなく、
プログラマから迷いを少しでも消すことが重要。

「どう作ったらいいのか...」という迷いは、
開発者の思考のリズムを奪い、スピードを鈍らせ、
そして、そのプログラムに対して無責任にさせていきます

物理的にも潜在的にも迷いはマイナスです。
これは実装の自由という概念と相反する話ではありません。
コラボレーションするものだと考えます。
縛りすぎても自由すぎてもよくないと、バランスが大事。

どのみち一つだけじゃ、全ての作りを示すことはできない。
でも、最低限の土台のポリシーがあってこそ、
その上で自由な発想を活かせると考えます。
最低限の土台から、自然と応用ができてくると考えます。

一つだけでいいから、
「このプロジェクトではこう作っていくんだよ」
っていうことが示せるプログラム、作ってみませんか?


> 船底では、今も浸水を塞いでいる船員がいるのだ。
> 善良な彼も、つい冷笑を浮かべてしまった。
もう、いやですね、そんな思いをするのは、二度と。